梅毒

梅毒は、細菌であるトレポネーマ・パリダムが原因で発生する性感染症です。感染経路は、セックス(性的接触)によるものが主な原因で、性器、口腔、肛門などの粘膜から感染します。近年、日本各地で梅毒感染が急激に拡大しています。本記事では、梅毒の症状、予防方法、治療方法、感染経路について詳しく説明します。

目次

梅毒感染の動向

国立感染症研究所によりますと、2022年は1年間に国内で報告された梅毒の感染者数は、速報値で1万2966人で、前の年の7983人と比べて1.6倍となり、現在の方法で統計を取り始めた1999年以降、最も多くなりました。梅毒の感染者数は、2012年には875人でしたが10年でおよそ15倍にまで急増しています。女性が妊娠中に梅毒に感染すると、胎児も感染し先天梅毒の症状を持って出生することになります。

専門家は、性風俗産業の従事者や利用者が感染者のうち一定の割合を占める一方で、インターネットを通じて出会った不特定の人との性行為を通じて感染が拡大している可能性も考えられるとしています。

梅毒の感染者数推移

梅毒の症状

梅毒の症状は、初期症状、第2期症状、第3期症状の3つに分けることができます。初期症状は、感染後1〜4週間程度で性器や口腔内に発疹や潰瘍が現れることがあります。発疹は痛みを伴う場合があり、潰瘍は自然治癒することがありますが、放置すると症状が進行してしまいます。

第2期症状は、感染後2〜8週間程度で全身に発疹が現れ、発熱、頭痛、喉の痛み、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。発疹は手掌や足底に出現することが多く、ほとんどの場合自然治癒しますが、放置すると症状が進行してしまいます。

第3期症状は、感染後数年〜数十年後、心臓病や脳の損傷、中枢神経系統の慢性疾患、骨や皮膚の損傷などが起こることがあります。症状には個人差がありますが、場合によっては死に至ることもあります。

梅毒の予防方法

梅毒の予防方法は以下の通りです。

  1. 安全なセックス:梅毒は性行為などの粘膜接触によって感染するため、安全なセックスを心掛けることが大切です。射精前にペニスからにじみ出るカウパ―腺液や膣分泌物に尿道・膣・口・肛門が触れないように、適切なコンドームの使用が有効です。口や肛門からは妊娠しないため、コンドームを使わないことが考えられますが、粘膜が触れ合わないようにバリア(コンドームやラップなど)を使いましょう。セックスの関係になる前に、性感染症検査を受けることが有効です。

  2. 早期発見・治療:梅毒は初期症状が軽微であるため、定期的な性感染症検査を受けることが重要です。また、初期症状が現れた場合は、早期の診断と治療が必要です。治療は薬の内服が主になります。

  3. パートナーの検査:自分が梅毒に感染した場合、性的パートナーも同様に感染している可能性があります。パートナーにも伝えて、性感染症検査を受けるようにうながすことが大切です。

  4. 健康的な生活習慣:免疫力を高めるために、健康的な生活習慣を心掛けることが重要です。バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠などが有効です。

梅毒の治療方法

梅毒の治療は、抗生物質による治療が一般的です。感染が初期症状の段階であれば、ペニシリン系の抗生物質が効果的です。感染が進行した第2期や第3期の場合、長期間の治療が必要となる場合があります。

また、治療期間中はセックスを避けることが必要です。途中で内服を中断することがないように、医師の指示通りに徹底的に治療しましょう。

梅毒の感染経路

梅毒は、主に性的接触によって感染します。性器、口腔、肛門などの粘膜から感染することが多いため、適切なコンドームの使用が有効です。また、出産時に母親から赤ちゃんに感染することもあります。感染した場合は、早期の治療が必要です。

まとめ

梅毒は性感染症の一つであり、初期症状が軽微であるため、定期的な性感染症検査を受けることが重要です。適切なコンドームの使用や、健康的な生活習慣を心掛けることも有効です。感染が疑われる場合は、早期の診断と治療が必要です。また、パートナーも検査を受けることが大切です。梅毒は適切な対策を取ることで予防できる病気です。

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