養護教諭からの質問とヒント

過去に寄せられたご相談のやりとりです。質問が書かれたテキスト部分をクリックすると回答部分が表示されます。

中学校の2・3年になるとSNSなどで性に関する相談・指導が多いなと未熟ながらに感じます。
思春期の男女の性への興味関心の差を互いに理解し合うために、事前・事後の対応・指導で押さえておくべきことなどがあれば教えて頂きたいです。

・中学生・高校生はNO SEX
・アダルトビデオの弊害を伝える
・SNSのリスク
・親に言えないことはリスク大
・性的同意について説明
・セックスとオナニー(自慰)は違う

生理不順の相談に来た生徒に対して、どのように不安を和らげてあげたらよいか悩むときがあります。
産婦人科受診はどうしてもハードルが高いらしく、中には母親にさえ相談することを渋る生徒もいます。生理痛があまりにもひどい、生理が何ヶ月も来ていない、といったような相談に対して、なんと返してあげたらいいか教えていただきたいです。

・妊娠の可能性の除外
・産婦人科の診察方法をていねいに説明
・内診しないで診察することも可能
・鎮痛剤を飲むタイミング
・低用量ピルの説明
・メンタル面の問題がある可能性

生理痛がひどい生徒への対応で、薬の服用を勧めすぎるわけにもいかず、だからといって、温める等だけでの処置では良くならない場合もあります。
ある程度の目安として、どこから薬の服用や婦人科への受診を促すべきなのか、保護者への伝え方も含めて教えていただきたいです。

・鎮痛剤・低用量ピル内服への罪悪感はいらない
・生理痛の背後にある問題をさぐる
・女性性への嫌悪? GIDの可能性
・親や友人との関係性

月経痛が強い生徒が多く、授業に出られなかったり欠席したりすることもよくあります。受診をおすすめする目安はどの程度でしょうか?また、すでに受診をしている生徒もなかなか症状が良くならない場合、保健室からできるアプローチとして何かあれば教えていただきたいです

・生理痛と月経困難症のちがい
・市販の鎮痛剤が効かない、日常生活が障害されるのは月経困難症
・月経困難症であれば受診をすすめる
・親や教師にかまってほしいという欲求?

子宮と背中が癒着していることによる月経困難症に苦しんでいる生徒がいます。
今年の1月頃から定期受診中で、Dr.からは特に緊急性はないので、ピルで経過観察とのこと。しかし、突然激しい痛みが襲ったり、不正出血が毎日続いたりするので、精神面でも不安定になってしまい、心療内科にも受診することになりました。ピルの量を増やして様子をみていますが、なかなか改善されてこないのでどうしたらよいものか…と思っています。学校で激しい腹痛、腰痛が起きた時に、少しでも痛みを緩和させてあげたいのですが、どんなことがしてあげられるでしょうか。

・子宮内膜症
・低用量ピルは標準的
・激しい腹痛、腰痛について痛みを観察する 便秘? 下痢?
・いつも飲んでいる鎮痛剤の内服安静、保温、あたたかい飲み物 日常の生活について問診
・カレンダーをつけて、自分のからだの状態と痛みの状況を観察

知的障がいのある男子生徒が、自分の股間を触ってしまったり、女子生徒に抱きついたりしてしまうときの指導方法が難しいです。会話や意思疎通が難しいため、説明してもうまく伝わらないのが現状です。もし、効果的な指導方法がありましたら教えていただきたいです。よろしくお願い致します。

性行動のルールを確認!

性行動のルール
① 1人でいるときは、自分のプライベートゾーンをさわってもいい
② 他の人のプライベートゾーンをさわってはいけない
③ 他の人に自分のプライベートゾーンをさわらせてはいけない
④ 自分のプライベートゾーンを他の人に見せない
⑤ 他の人のプライベートゾーンを見ようとしない
⑥ 性的なことばや行動で、他の人に不快な思いをさせてはいけない
(Bonner, Walker & Berliner(1995)を元に改)

本校(松虫中学校)では、飛田遊郭が学校周辺にあるという事で、性教育は難しいという理由から、何年も前からあまり性教育をしてきていなかったみたいで、今も学年によって、行っている学年、行っていない学年ばらばらです。なので、資料とかもなくてどのように、発達段階に合わせて、計画を立てていくのかがわからないので、勉強させていただきたいです

・性風俗についてどう伝える?
・のぞましいおつきあいについて学ぶ
・自分の成長につながる安心安全なおつきあいとは?
・性行為にともなう責任と覚悟

私自身も、新卒で性教育の経験?というものがなくて、中学生の時の性教育を思い出すことしかできないので、今後養護教諭としてどんな風に性教育に関わっていけばよいかをお聞きしたいです。

・性教育、セックスについての自分自身がもつイメージを点検する
・苦手なら他者にかわってもらう
・自分も成長していく
・「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」を学ぶ

本校では、特別支援在籍の生徒も一般生徒と同様に性教育を受けています。
しかし、知的障害の生徒も多数いるため、理解が追い付いていない部分も多くあると考えられます。理解しにくかったところはなかったか特別支援担当の先生を通して、聞いていただいたりしていますが、特に今まで何か聞かれたことはありません。
特別支援の生徒には追加でフォローを行うとしたらどのような方法で行うのがいいのでしょうか。確認のみでいいのでしょうか。

・高校での特別支援学級の生徒たちを少人数で指導している
・アイスブレイクを工夫して楽しく学べるように工夫する
・性行動のルールが守れているか確認

性教育の教材は、何を参考にして作成すればよいですか

・文科省、厚労省、自治体が作成した教材PDFをダウンロードすることもできる
・学年、クラス単位の時は実物を配布しないが個別指導ではOK

障害を持つ生徒を含めた、性教育についての家庭と上手く連携していくポイントを教えていただきたいです

学校や家庭で困っていることを共有し、誰が、どんな教材を使って、何をポイントにしておこなうかをじっくりと話し合うことがだいじ。

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